世界には様々な難病が存在します。
当ブログのテーマである「ニオイ」に関して限定しても様々な病気がありますよね。
IBSやPATMなどなど。
今回は、世界中に約700人程度しか患者のいない臭いに関する難病「魚臭症(トリメチルアミン尿症)」について紹介していきます。
この病気は薬や対策方法もいまだに開発できていないために、突然発症したこの病気に苦しんでいる方も多いのです。
そんな難病はどのような症状を引き起こすのか、見ていきましょう。
もくじ
体から魚の腐った臭いがする!?世界中で700人程度しかいない難病
先ほども少し触れた通り、魚臭症(トリメチルアミン尿症)は世界中で700人程度しかまだ症例が出ていない非常に珍しい難病。
これは病院で診断された人の数を表すため、実際にはもっといるかもしれませんが、それでも未だに薬ができていないということはやはり治療を施すのが難しい病気なのでしょう。
魚臭症(トリメチルアミン尿症)の症状
魚臭症は、体臭や口臭が腐った魚のような臭いになってしまう病気。
TMAU Foundation(魚臭症財団)や昭和薬科大学の山崎浩史教授が魚臭症の治療法に関する研究を行っています。
2017年に日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」という番組で魚臭症に悩む女性の特集が組まれたことにより、以前よりも認知度は高まっては来ているものの、やはり臭いに関して理解を得ることが難しい病気です。
魚臭症(トリメチルアミン尿症)になってしまう原因
魚臭症(トリメチルアミン尿症)は、食べ物を消化するときに発生する物質であるトリメチルアミンが上手く分解されずに、汗や呼気から吹き出してしまうために魚が腐ったような臭いを発します。
トリメチルアミンそのものが臭いの原因となっているため、トリメチルアミンを発生しない、もしくはトリメチルアミンがきちんと分解されれば良いのですが、その治療法は確立されていません。
また、健常者が突然魚臭症になってしまう場合も多く見られるのですが、その原因はトリメチルアミンを無臭にする酵素がホルモンバランスの崩れなど何らかの体調の変化によって減少してしまうことにあると考えられています。
これは後天性で魚臭症になってしまうケースですが、生まれつきトリメチルアミンを無臭にする酵素がない場合、つまり先天性で魚臭症になってしまうケースも存在します。
魚臭症かどうかを確認する方法はある?
昭和薬科大学の山崎浩史教授に無料で検査してもらえる
魚臭症は症例が少ない難病のため、一般的な病院では正しく診断してもらうことのできない場合もあります。
先ほどご紹介した、魚臭症の治療法を研究している昭和薬科大学の山崎浩史教授は無料で検査を行っているため、もし魚臭症の疑いがある場合は検査してもらうと良いでしょう。
検査は郵送の尿検査となります。
検査を行う場合には、下記のホームページよりお問い合わせをしてみてくださいね。
魚臭症を予防する方法はあるの?
根本的な対策方法はいまだに見つかっていない
残念なことに、魚臭症を確実に予防できる対策方法というものはいまだに見つかっていません。
ホルモンバランスの乱れなど何らかの体調不良が原因で後天的に魚臭症になってしまう場合があるため、健康的な生活を心がけるほか対策法はないのではないでしょうか。
臭いの原因となるトリメチルアミンの発生を防ぐ
最初の方に、魚臭症はトリメチルアミンが上手く分解されないことが原因で臭いが発生してしまうということを紹介しました。
そのため、臭いの原因となるトリメチルアミンの発生を防ぐことができれば予防することもできると考えられています。
トリメチルアミンを発生させてしまう物質は主に3つ。
コリン・ レシチン・ トリメチルアミンオキシドです。
この物質を含んでいる食材は以下の通り。
コリン:卵(卵黄)、加工肉や内臓、豆類、芽キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜など
レシチン:卵(卵黄)、大豆、ナッツ、ごま油、コーン油、小魚やウナギなど
トリメチルアミンオキシド:海水魚やエイ、イカ、タコ、甲殻類など
【まとめ】治療法がない魚臭症
魚臭症は誰でもなる可能性のある病気です。
規則正しい生活やストレスをあまり溜め込まない生活を心がける、トリメチルアミンを発生させてしまう食材をできるだけ避ける、ということくらいしか今のところ予防方法はありません。
これも100%予防できるわけではないというのがこの病気の怖いところ。
今後魚臭症の研究が進み、治療法が確立されることを願うばかりです。
この記事がニオイに悩む誰かの参考になっていたら幸いです。
他にもニオイに関する記事をたくさん書いているので是非見てみてくださいね。